UK発祥のグライムとヒップホップの違いとは?

グライムMCs Style

注目度が高まるグライム

 

先日アイルランドで行われた最高峰の音楽賞”マーキュリー賞”。
デヴィッド・ボウイやレディオヘッド、日本でも人気急上昇中のThe 1975を抑えてグライムMCのスケプタ(Skepta)が受賞しました。

 

 

上のビデオ(8’30頃〜)はスケプタのパフォーマンスの様子ですが、少し聞いただけではヒップホップとの違いがあまりわかりません。

 

では、UK発祥のグライムとヒップホップの違いはなんでしょう?
 

ヒップホップとは

 
ゲットダウン 2

(Via: http://casabrutus.com/culture/26082

 

ヒップホップは1970年代初頭に、ブロンクスのブロック・パーティで生まれました。

JBを代表するファンクミュージックが全盛だった当時、パーティではブレイク・ビーツ(間奏)が一番盛り上がっていました。それに気づいたDJが同じレコード2枚を2台のターン・テーブルで繋いで、ブレイク・ビーツを長く保ち観客を楽しませました(黎明期の3大DJの一人、クール・ハークが発明)。

 

そのブレイクビーツに合わせて喋り、客を盛り上げるMC(=ラッパー)がラップのルーツと言われています。

 

こちらはヒップホップのルーツに迫ったNetflixのオリジナルドラマ『ゲットダウン』。ウィル・スミスの息子が出演しています。

 

 

グライムとは

 

グライムMC

(Via: https://iflyer.tv/ja/article/2016/05/23/drake010/

 

1999年イーストロンドンのスラム街で流れていた海賊ラジオの放送でワイリー(Wiley)というMCが、ジャングル(テクノ系レゲエ)のビートに乗せてラップをしたことがグライムのルーツです。

 

早いビートの上で早口のラップをするのが主流のスタイルで、グライムでラップをする者は”ラッパー”ではなく”グライムMC”と呼ばれます。

 

イギリスの辞書には「ダンスホールとヒップホップの要素を融合させたポピュラーミュージックのスタイル」と定義されています。

 

2003年にグライムMCがマーキュリー賞を歴代最年少で受賞。イギリス全土にグライムというジャンルが浸透しました。

 

イギリスの音楽誌『The Wire』 で “グライム版のAnarchy in the U.K.”と評されたこの曲。

 

 

セックス・ピストルズがパンクの到来を示したようにグライムの到来を象徴する曲となりました。

 

グライムとヒップホップのクロスオーバー

 

ヒップホップは40年前にニューヨークで、グライムは15年前にロンドンで生まれたという違いはありますが、どちらも貧困層から生まれた背景や、ラップをすること、音も似ていることから、両者のアーティストが接近し始めています。
 
いま世界で最も影響力のあるアメリカ人ラッパー、カニエ・ウェスト(Kanye West)が、2015年のブリット・アワードでのパフォーマンスで25人のグライムMCと共に登場しました。
 

 
このパフォーマンスの中には、前述のスケプタやワイリーが所属する”Boy Better Know(略称”BBK”)”というクルーのメンバーが多く居ましたが、この”BBK”が今年2月にカナダ人ラッパー、ドレイク(Drake)と契約を結んだことを明らかにしました。
 
ドレイクの肩にBBKのタトゥーが彫られていることが話題に。
 

スクリーンショット 2016-10-05 18.47.36

 
また、この”BBK”は、Diorのモデルも務める世界的ファッションアイコンのラッパー、エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)ともライブで共演。
 
彼の最新アルバム曲の半分はロンドンでレコーディングされ、グライムのテイストが色濃く映し出されています。
エイサップ・ロッキーの記事はこちら
 
世界的なアーティストと結びついたグライム。
一つのジャンルとして世界中でブレイクすることは間違いなさそうです。