イギリスの大ヒットドラマ「ミスター・セルフリッジ」
2年に1度、百貨店について世界中から経営者や有識者が集まって議論する「国際百貨店サミット」で、2010年/2012年/2014年の3期連続で「世界最高の百貨店」に選ばれた百貨店をご存知でしょうか。
Selfridges(セルフリッジズ)
1909年創業、イギリス、ロンドンの象徴的建物としても知られる老舗百貨店。ロンドンのオックスフォード・ストリートに旗艦店、マンチェスターに2店舗、バーミンガム1店舗の計4店舗を展開。
(出典)
ちなみに、 FRENCH CONNECTIONの旗艦店は、セルフリッジの向かいにあります。オックスフォード・ストリートは、各国の有名ブランドや有名百貨店が集まった、年間2億人以上が訪れるヨーロッパでも有数のストリートです。機会があればぜひ訪れてみてください。
(出典:Googleストリートビュー)
このセルフリッジ百貨店、小売業としては世界で初めて、社員寮や終身雇用制度を整えた企業でもあります。
サービス面でも、商品を手に取りやすいようにディスプレイしたり、店内に来店客向けのトイレを設置したり、急病人のための救急室を設けたりと、今の小売店のスタンダードを創りだした、アイディアとフロンティア精神に溢れた存在です。
セルフリッジが創り出したショッピングの常識
セルフリッジが創業した当時は、今では考えられない程閉塞的だったイギリスのショッピング事情。
当時の小売店は現在のように、
「店内にディスプレイされた商品の中からお客様が自由に選ぶ」
というスタイルではなく、
「店員に欲しい物を伝えて、棚や倉庫から商品を持ってきてもらって買う」
という売り手に主導権があるものでした。
「ものがない」「欲しくても買えない」という時代背景から、圧倒的に売り手が強い存在だった訳です。たった100年前のことですが、いまでは考えられませんね。
つまり、セルフリッジが登場するまでの小売店には、「お客様をおもてなしする」という考え方や「ウインドウショッピングを楽しむ」というスタイルそのものが存在しませんでした。
そんなセルフリッジを舞台にしたテレビドラマが、イギリスで大ヒットしました。
Mr. Selfridge(セルフリッジ 英国百貨店)
アメリカ人の創業者”ハリー・セルフリッジ”を主人公に、彼の革新的なビジネスのやり方と、華麗な女性遍歴にスポットを当てた痛快なドラマです。
本国イギリスで、平均視聴率27%を記録した大ヒット作です。
毎回、彼はひらめきます。この時は、店の入り口を見て・・・
でも、
と周りが反対。かつての風習はそうでした。
しかし・・・
と言って、風習や周りの反対意見を乗り越えていきます。
(当時のロンドンの道路には、馬車による馬糞がたくさん落ちてました)
また、ある時は
とひらめき
ライト兄弟の有人飛行によって大きな話題となっていた“飛行機”を店内にディスプレイし、イメージガールと一緒に広告として使ったりします。
ほかにも、当時では「ありえない」とされてきたことを、その破天荒ぷりでたくさん実行し、成功を収めていきます。
頂点を極めた大英帝国時代が舞台のサクセスストーリー。
セットや衣装も華やかで見応えがあります。
現在、ドラマは、Netflix(ネットフリックス)にて配信中です。