UKのアーティスト養成学校「ブリットスクール」とは
(Via: http://www.croydonguardian.co.uk/news/)
(Via: http://www.neilcott.co.uk/?post_type=project&p=493)
ブリットスクールは、英国政府が1991年に創立したパフォーマンス・アートとメディア教育のみに焦点を絞った英国唯一の無償学校です。
現在、14歳〜19歳の約1200人の生徒が在籍していて、これまでに多くの有名ミュージシャンを輩出。
世界的に活躍するアーティストを育成し続ける英国の「アーティスト養成学校」です。
ブリットスクール出身者
アデル
(Via: http://theeverygirl.com/5-important-lessons-from-adele/)
エイミー・ワインハウス
(Via: http://saintheron.com/news/amy-winehouse-back-to-black-cover-contest/)
ケイト・ナッシュ
(Via: http://boxxmagazine.com/2013/04/video-of-the-day-kate-nash-girl-gang/kate-nash3/)
リリー・アレン
(Via: http://www.smashwest.com/artists/lily_allen/lily_allen.htm)
レオナ・ルイス
(Via: https://pin.it/7c2t4zk2774w4c)
ジェシー・J
(Via: https://twitter.com/jessejayjayjay)
キング・クルール
(Via: https://crackmagazine.net/2017/10/king-krule-shares-unreleased-track-swan-lake-beats-1/)
学費がすべて無料
一般的に芸術系の学校は高額な学費がかかりますが、ブリットスクールは、政府とパートナー企業による助成金により、全過程が無料。
貧しい家庭に生まれた子供にも、平等にチャンスが与えられています。
パートナー企業には、イギリス版グラミー賞と言われている「ブリット・アワード」を主催する英国レコード産業協会。
ブリットアワードは、”学校のための資金集め”としての役割も担っています。
その他、ギターのギブソンやショッピングモールの運営会社、化粧品会社からは、現物支給の援助が行われていて、それぞれ、ギター、イベント会場、化粧品 が生徒に無償で提供されています。
才能のコラボレーション
ブリットスクールの専攻は、全部で9つのコースがあり、音楽、演劇、ダンス、映像、アートワーク、プロデュース、マーケティング、ファッションやゲーム、アプリまで、あらゆる分野を学ぶことができます。
学校の中にはアートスタジオ、大道具の制作工房、テレビ、ラジオの放送局のほか、ビートルズのほぼ全作品をプロデュースし、「5人目のビートルズ」と言われていたジョージ・マーティンが建てたレコーディング・スタジオもあります。
そんな多分野な学校で、異なる専攻の生徒同士が1つのプロジェクトでコラボレーションすることは日常で、アデルのデビューアルバム『19』のジャケットのアートワークは元同級生が手がけています。
(Via: https://www.amazon.co.jp/19-Adele/dp/B0018QOIXU)
専攻以外を大事にする
ブリットスクールは、音楽やアート、演劇などの専攻の授業と同等に、数学や社会、歴史、科学といった科目を学ぶことを大切にしていて、学習を義務化しいます。
中には生徒の興味を引こうと「Maths Move Science」と題された、ダンスと数学を融合させたプロジェクトもあり、ロールスロイス社が主催する教育に関する科学賞も受賞しています。
また、13歳の時に、それまで引きこもりがちで、学校を転々とした末にブリットスクールへ来たキング・クルーは、
「アカデミックがアートを支えてくれた。ブリットでようやく社会と上手くやっていけるようになった。」
と語っています。
また、音楽専攻の生徒の99%は、卒業したらすぐにプロとしてのキャリアをスタートさせますが、彼らが社会的に直面する問題に対応できるように、コピーライト、契約関係などのビジネス面においての科目が必修となっています。
そして、技術以上に大切にしているのが、「親切な人間であること」と同校の校長は言っています。
これは、相手に対しての親切心がなければ、サポートしてくれるチームの信頼は得れず、成功を続けることは難しいという考えからだそうです。
アデルは在学中、「決して目立つ生徒ではなかった」と言われていますが、人一倍、協力的でチームワークを大事にする生徒だったそうです。
こちらはOBであるジェシー・Jが同校を外旋訪問した際の映像です。
学校の様子が垣間見れます。
「ここには音楽の未来が詰まっている」と言った彼女。
UKの現代アートを支えるブリットスクール。
今後もどんなアーティストが誕生し、どんな作品を生み出してくれるのか、楽しみですね。