ロイル・カーナー / サウスロンドン出身の若き才能(3)
(Via: http://www.musicfestivalnews.net/loyle-carner-shares-video-for-ottolenghi-2019-tour-dates/)
過去にトム・ミッシュや、レックス・オレンジ・カウンティ、キング・クルエル、ジェイミー・アイザックなど才能溢れるサウスロンドン出身のアーティストをご紹介してきましたが、先日、新曲『Ottolenghi feat. Jordan Rakei』を発表したロイル・カーナー(Loyle Carner)もその一人です。
ロイル・カーナー(Loyle Carner)
サウスロンドン出身のラッパー。 13歳の時にローランド・エメリッヒ監督作品『紀元前1万年』に出演し、俳優としてデビュー。
アデルやエイミー・ワインハウスらを輩出したアートスクール「ブリットスクール」で演技を学んだ後、ロンドンの演劇学校ドラマセンターに進むも、2014年に継父の突然の死がきっかけで、学校を中退し、音楽の道に進むことを決心しました。
同年、6曲入りのEP『A little Late』を発表。
2016年には、期待の新人を選ぶ Sound Of 2016に選ばれ、
2017年には、ファーストアルバム『Yesterday’s Gone』が「マーキュリー賞」にノミネート。
2018年には、イギリス最大の音楽アワード「ブリット・アワード」で3部門にノミネート。NMEアワードではエド・シーランを抑えて「最優秀ブリティッシュソロアーティスト」を受賞しました。
音楽性
メロウなトラックに日常で起きたことや自身の率直な気持ちを叙情的にラップする内省的なスタイルで、 自分の成功やドラッグについてラップするグライムやトラップなどの昨今のメインストリームとは一線を画しています。
継父を亡くした直後に発表したEP『A little Late』の 収録曲『BFG』では継父の死の悲しみを、
アルバム『Yesterday’s Gone』収録曲『The Isle of Arran』では、遅くまで働いていた母親の代わりに面倒を見てくれた祖父との思い出がラップされていたり、
その他楽曲では、 ADHDや難読症を患った自身の少年期、実父の失踪、残された家族の助け合い、母親への感謝、学生ローンなどについて歌っています。
「自身の置かれた環境についてラップをすることで、同じように悩んでいる人たちが救われるはずだよ。」という友人の言葉に感化され、今のスタイルにたどり着いたそうです。
(Via: https://www.interviewmagazine.com/music/loyle-carner-1)
人間性
ファーストアルバムの最後に収録されているシークレットトラックは、亡くなった継父が生きている間に録音していたフォークソングに、後から母親のコーラスを録音して被せたもの。
この曲で繰り返し歌われている「Yesterday’s Gone」がアルバムのタイトルになっています。アルバムのアートワークは、家族、友人、お世話になった人たちとの笑顔の集合写真です。
また、不適切な野次を飛ばした客に対して「今すぐ出ていくんだ」と、ライブ会場の外へ退場させたこともあります。
I respect @LoyleCarner tonight for his support for women 🙌🏽🙌🏽 pic.twitter.com/zTWSthYUsP — Y. (@YasminVal_) 2017年10月8日
人への優しさ、温もりが楽曲やスタイルそのものに現れ、それが聴く人の心を掴んでいる気がしてなりません。